インサイドレポート JBCF石川
JBCF石川ロード、インサイドレポートです。
その夜のミーティングはいつも以上に気合いが入っていた。
ロイックにとっては初めてのコースで試走はしたものの日本独特のレース展開で走った場合、どう立ち回るのかが最善なのか。
彼なりに考えて考えて、困っていた。
なにぶんこちらは単独で戦わなければならない。
今回はシマノチームが来ていないとはいえ、必ず複数名を勝負どころまで残す実力あるチームがいくつかある。
もう最終段階の勝負どころで他チームが複数残った状態で戦うのはゴメンだ。
ロイックも石田コーチも同感だった。
私達の共通認識だった。
何も指示を出さなくとも最終段階までは残れる。
ロイックは強い。
だからこそ他の選手も彼が最終段階で動けばそう簡単には行かせてくれない。
いろいろなケースを考えて。。。
石田コーチの出したオーダーはかなり早目に仕掛けて各チーム1名づつの少人数集団を創り出せというものだった。
西日本、東日本ともに複数揃える他チームに抑えられ、身動きが取れずに悔しい思いをした。
単純明快。
それぞれがアシスト的な動きができない状態。
個体個なら可能性は上がる。
指示の内容は実際に実行するのは簡単じゃない。
当日の朝、宿からコースまで自転車で向かう。
言葉数が少ない。
緊張が感じ取れた。
「安心して。他のみんなより強いから。」
こう伝えた。
「スタート前は、どうしても。。。ゴール後に笑いたい」
こう返してきた。
スタート前に何度もトイレに向かうロイック。
そして緊張のスタート。
石田コーチと話して出した結論、言うは簡単。
実行するのは。。。難しい。。。
でも彼はそれをやってのけた!
最終段階
補給地点に戻ってきたのは4人!
ブリッツェン、チーム右京、ブリヂストン、各チーム1名とロイックの4人。
ロイックは早い段階からジャブ的な動きで揺さぶりをかけ、ブリッツェンのアベタカ選手、ブリヂストンの初山選手の逃げができてからは切り替えて集団内に潜み、遅すぎないタイミングでこの逃げを創り出して帰ってきた。
鳥肌がたった。
「やれ」 と言われたことを本当に実現させて帰ってきた。
最終的にはチーム右京2名との2対1、結果2位。
追いつかれた相手がまずかった。
一緒に逃げていた土井選手のチームメートのホセ選手だった。
彼は本当に強かった。
ゴールして表彰式まで時間があるので宿でお風呂を入らせていただけることになっていたので、宿まで車で先回り。
自転車で帰ったロイックが先に到着しているはずなのにまだ来ていない。。。
事故?
焦って石田コーチが車でコースに戻って探しに。
他チームのフランス人と話し込んでしまっていたf^_^;
そうだった。
いかにもフランス人らしい。
「スミマセン」と日本語で深々と頭を下げて謝られた。
大したことじゃない。
「今回の結果、うれしいか?」と聞かれ、「もちろん!」と応える
それなら良かった。と。
やっとマトモな成績を出せて本人はかなり精神的に穏やかな表情になっていた。
それは初めて見せる安堵の表情だった。
そりゃあ、初めて来た日本。
全く不安がないって言ったら嘘になるよね。
常に複数揃える他チーム相手にいつも1人。
それでもなんとか勝ち取った日本で初めての表彰台。
彼はまだ若い青年だったということを忘れていたが、表彰式ではどうやら少し緊張しているようだった。
本当にお疲れ様でした。
日本に来てくれてありがとう。
また明日からがんばろう。
告知
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