「 Yasunoriaaca 加藤康則」 のブログ

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Jelajah Malaysia UCI AsiaTour2.2 第3ステージ

f:id:yasunori0625:20151212004245j:plainJelajah Malaysia(UCI AsiaTour2.2、12月9~13日)
第3ステージ(バンダルバルバンギ~プトラジャヤ、103.3km)

●出場選手
ジャイ・クロフォード
伊丹健治
野中竜馬
阿曽圭佑

●レースレポート
マレーシアで開催されているUCIアジアツアー2.2クラス、ジェラジャ・マレーシア(Jelajah Malaysia)は12月11日、首都クアラルンプール近郊のバンダルバルバンギからプトラジャヤまでの103.3kmによる第3ステージが行われた。

このステージでは中盤に2つのスプリントポイントと、後半に4級山岳が1カ所設定。高低差にして数十メートルを上るアップダウンが終始連続するが、距離が短いこともあり、スプリンターを擁するチームが中心のレースになると予想された。

日本から唯一参戦するKINAN Cycling Teamは前夜のミーティングで、好調の伊丹と阿曽が逃げを狙い、野中はチームメートのサポートに徹することを確認。第2ステージを終えて総合19位につけるジャイは、リーダーチームのスカイダイブドバイ プロサイクリングチームが簡単に逃げを容認するようであれば、自身でもステージ優勝を狙っていく考えを示した。

リーダージャージを着るフランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム)との総合タイム差で大きく遅れている選手が多いこともあり、このステージの序盤は各チームの思惑が交錯。アクチュアルスタート(正式スタート)から次々と逃げ狙いのアタックが散発した。最大で10人の逃げグループが形成される場面もあったが、そのいずれもがスカイダイブドバイやチーム ホンコンチャイナのコントロールによって吸収されていった。

50km地点を通過後、ボトルの受け取りのためチームカーまで下がった野中が「スカイダイブドバイがメーン集団を徹底してコントロールしている」と報告。石田哲也監督が「そのまま働かせて消耗を待とう」と指示を出す。

その後もアタックと吸収が繰り返されたが、66km地点でレースは大きく動くこととなる。集団から飛び出した3人を阿曽が追随。スカイダイブドバイのコントロールが緩んだ絶妙なタイミングでのアタックに成功。4選手の逃げグループが形成された。

徐々に広がっていったタイム差は、最大で1分。78.1km地点に設けられた4級山岳ポイントを阿曽は2位通過。距離を追うごとにメーン集団が迫ってきたが、逃げメンバーもペースを落とすことなく前を急いだ。

一方、メーン集団に待機したKINAN勢3人は終盤に備える。再びチームカーへと下がった野中が、ジャイと伊丹はスプリント勝負に賭けていることを告げると、石田監督からゴーサインが出された。

阿曽を含む先頭の4人は、スカイダイブドバイによるメーン集団のコントロールがありながらも30秒前後のタイム差を保ちながら、残り10kmを通過。逃げ切りのわずかな可能性を信じ走り続けるが、残り8km地点で阿曽がパンクでストップを余儀なくされてしまった。

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今大会は不安定な路面に多くの選手が悪戦苦闘し、パンクトラブルが多く見られている。快走を続けてきた阿曽にとっては、不運なタイミングでのアクシデント。悔しさを滲ませながらも、フィニッシュに向かって再スタートを切った。

その後、2人に絞られた逃げもメーン集団に吸収。最後はスプリントフィニッシュとなり、マレーシアロードレース界の英雄、アヌアル・マナン(マレーシア、テレンガヌ サイクリングチーム)がステージ優勝。KINAN勢は、ジャイの27位が最高だった。

総合争いには大きな変動がなく、マンセボが首位をキープ。KINAN勢は、ジャイが順位を1つ上げ、マンセボから2分53秒差の総合18位となっている。

12日に行われる第4ステージは、クアラルンプール市内のベルジャヤ・タイムズ・スクウェアからプトラジャヤまでの115.3km。今大会のクイーンステージとの呼び声も高く、序盤からスプリントポイントが1カ所、3級山岳ポイントが2カ所待ち受ける。中盤は下り基調だが、後半に入り4級山岳が1カ所登場。その後はフィニッシュまで細かなアップダウンの繰り返しとなり、総合争いに動きが起きることも考えられる。KINAN勢は再びレースを積極的に動かして、勝利への活路を見出していくこととなる。

第4ステージのスタートは現地時間10時05分(日本時間11時05分)、フィニッシュは現地時間12時49分~13時07分(日本時間13時49分~14時07分)と見込まれている。


●ジェラジャ・マレーシア第3ステージリザルト
1位 アヌアル・マナン(マレーシア、テレンガヌ サイクリングチーム) 2時間14分43秒
2位 パク・スンベク(韓国、KSPO)
3位 ハリフ・サレー・モハド(マレーシア、テレンガヌ サイクリングチーム)
4位 アンドレア・パリーニ(イタリア、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム)
5位 パク・サンホン(韓国、韓国ナショナルチーム
6位 ソー・ジュンヨン(韓国、KSPO)
7位 チェ・ク・モハンマド・シャミル・チェ・ク・ロムリ(マレーシア、マレーシアナショナルチーム
8位 アリン・イスワラ(インドネシア、ペガサス コンチネンタルサイクリングチーム)
9位 コー・シウワイ(香港、チーム ホンコンチャイナ)
10位 アブドゥル・ガニ(インドネシア、KFCサイクリングチーム)
27位 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team)
38位 伊丹健治(KINAN Cycling Team)
70位 野中竜馬(KINAN Cycling Team)
82位 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +45秒

●総合成績
・個人総合時間賞
1位 フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム) 6時間06分24秒
2位 チュン・キンロク(香港、チーム ホンコンチャイナ) +1分26秒
3位 アンドレア・パリーニ(イタリア、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム) +1分33秒
4位 キム・オクチョル(韓国、韓国ナショナルチーム) +1分56秒
5位 ソーフィアン・ハディ(モロッコ、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム) +2分17秒
6位 ディラン・ニューベリー(オーストラリア、データ#3シマンテックレーシング p/b スコディ) +2分18秒
7位 リュン・カユ(香港、チーム ホンコンチャイナ) 2分19秒
8位 サイフル・アヌアル・アジズ・モアド(マレーシア、テレンガヌ サイクリングチーム) +2分21秒
9位 マフディ・ラジャビカブードシェスメフ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) +2分25秒
10位 マルセロ・フェリペ(フィリピン、チーム セブンイレブンロードバイクフィリピンズ) +2分28秒
18位 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +2分53秒
50位 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +12分58秒
68位 伊丹健治(KINAN Cycling Team) +15分35秒
69位 野中竜馬(KINAN Cycling Team)

・ポイント賞
1位 フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム) 18pts
2位 チュン・キンロク(香港、チーム ホンコンチャイナ) 17pts
3位 パク・スンベク(韓国、KSPO) 17pts

・山岳賞
1位 アミルル・マズキ・ヌル(マレーシア、テレンガヌ サイクリングチーム) 8pts
2位 アグング・アリ・サーバナ(インドネシア、ペガサス コンチネンタルサイクリングチーム) 4pts
3位 ハミド・ベイッコルミジ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) 4pts

・ヤングライダー賞(25歳以下)
1位 キム・オクチョル(韓国、韓国ナショナルチーム) 6時間08分20秒
2位 ディラン・ニューベリー(オーストラリア、データ#3シマンテックレーシング p/b スコディ) +22秒
3位 リュン・カユ(香港、チーム ホンコンチャイナ) +23秒

・チーム総合時間賞
1位 スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム 17時間43分04秒
2位 チーム ホンコンチャイナ +2分26秒
3位 データ#3シマンテックレーシング p/b スコディ +3分23秒
12位 KINAN Cycling Team +24分43秒

・アジアチーム総合時間賞
1位 スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム 17時間43分04秒
2位 チーム ホンコンチャイナ +2分26秒
3位 チーム セブンイレブン ロードバイクフィリピンズ +3分40秒
11位 KINAN Cycling Team +24分43秒


●監督・選手コメント
・石田哲也監督
「レース内容は想定通り。阿曽が逃げに加わることができたのは、経験値を上げていくうえで大きな収穫となった。これまでたびたび逃げに入るタイミングなどを模索してきたが、この走りでつかんだものがあるのではないか。第4ステージも引き続き、ステージ優勝を狙って積極的に動いていきたい」

・ジャイ・クロフォード
「スカイダイブドバイの強さを改めて痛感したよ。みんなと同様にボクも逃げにトライしたけれど、まったく上手くいかなかったんだ。第4ステージは序盤の3級山岳2つで集団が割れるかもしれないけれど、中盤にひとまとまりになってレースがふりだしに戻るかもしれない。そうなるとスプリンターが有利になってしまうので、何とか自分たちでチャンスを作り出したいね」

・伊丹健治
「序盤からアタック合戦で、チーム4人で交代をしながらすべての動きをチェックしていた。逃げが決まった瞬間は、みんな脚にきていて誰も追えるような状況になかった。ゴールスプリントも頭にはあったが、集団が混乱していたので無理はしなかった」

・野中竜馬
「少しずつ体が動いている実感がある。スタート直後から激しい展開だったが、スカイダイブドバイのコントロールによって逃げが全然決まらなかった。チーム ホンコンチャイナもスカイダイブドバイに協力していたことも関係していたと思う」

・阿曽圭佑
「本当に悔しい。4人で後ろとのタイム差を確認しながら逃げ切りを目指していた。自分でもしっかり踏めている実感があったし、一緒に逃げていたインドネシア人選手が苦しそうだったので、このまま逃げれば上位フィニッシュができる確信もあった。この経験を今後に生かしていきたい」


写真・レポート 福光俊介

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