Jelajah Malaysia UCI AsiaTour2.2 第4ステージ
Jelajah Malaysia(UCI AsiaTour2.2、12月9~13日)
●出場選手
ジャイ・クロフォード
伊丹健治
野中竜馬
阿曽圭佑
●レースレポート
マレーシアで開催中のUCIアジアツアー2.2クラス、ジェラジャ・マレーシア(Jelajah Malaysia)は12月12日、第4ステージが首都クアラルンプール市内のショッピングモール、ベルジャヤ・タイムズ・スクエアからプトラジャヤまでの115.3kmで争われた。
ここまでスピードに富んだ展開が続く今大会だが、このステージはクイーンステージとの呼び声も高く、序盤からスプリントポイントが1カ所、3級山岳ポイントが2カ所登場。中盤こそ下り基調だが、後半に入り4級山岳が1カ所を含む細かなアップダウンの連続で、展開次第では総合争いに大きな変動が起こることも考えられた。
日本から唯一参戦するKINAN Cycling Teamは前夜のミーティングで、考え得る限りのレース展開を予想。いずれも序盤のカテゴリー山岳がポイントとして挙がり、レースに臨む4選手いずれもが逃げで勝機をうかがう意識を強めた。
レースは、スタート直後から逃げ狙いのアタックが頻発。数選手が抜け出したかに見えた場面がたびたびあったものの、逃げグループを形成するまでには至らない。1つ目の3級山岳を越えたあたりでジャイが5人の先頭グループに入ったが、これもしばらくして捕まってしまった。
スタートから19km地点でジャイが再び逃げを試みる。総合タイムでほぼ同位置につける選手が加わり、そのまま逃げグループが決まったかに見えたが、2つ目の3級山岳に入ると他の選手たちが次々と遅れてしまい、ジャイの独走状態に。その後次々と選手が合流し、最大15人が先頭を走ったが、逃げるには人数が多かったこともあり意思統一ができず、メーン集団に吸収された。
すると、今度は阿曽を含む2選手がメーン集団からの飛び出しを図る。さらに2選手が合流。最大で45秒差をつけたが、ピシュガマン・ジャイアントチームによる集団コントロールによってまたしても吸収されてしまる。それからもアタックと吸収が繰り返されたが、逃げ集団がないままレース後半を迎えることとなった。
決定的な動きが生まれないまま、フィニッシュまで約20kmに設けられた4級山岳の上りへ。すると、頂上を目前にジャイがアタック。さらに4選手が続き、再度逃げを試みた。ジャイはそのまま頂上を1位通過する。
やがてジャイたちのグループは捕まってしまうが、それとほぼ同時に伊丹を含む3選手がカウンターアタック。さらに2選手が加わり、5人が下りを攻めるが、協調態勢が保たれずこの動きも失敗に終わってしまった。
ラスト6kmでは総合2位につけるチュン・キンロク(香港、チーム ホンコンチャイナ)、同3位のアンドレア・パリーニ(イタリア、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム)、同10位のマルセロ・フェリペ(フィリピン、チーム セブンイレブン ロードバイクフィリピンズ)がアタック。総合上位を走る3人が攻撃に出たが、メーン集団の必死の追走で何とか吸収。
それとほぼ同時に今度は阿曽がカウンターアタック。この時点でフィニッシュまで2.5km。勝利への執念を見せたが、スプリント狙いのチームがコントロールするメーン集団の勢いには勝つことができなかった。
ステージ優勝争いはスプリントフィニッシュに委ねられ、終盤積極的な動きを見せていたパリーニが強さを発揮し勝利。KINAN勢はジャイが15位に入った。
総合では、マンセボが危なげない走りでリーダージャージをキープ。ステージ優勝のパリーニが2位に浮上し、スカイダイブドバイ勢がワン・ツー態勢に入っている。前日まで総合18位だったジャイは14位に浮上。マンセボとは2分53秒差となっている。
大会最終日となる13日は第5ステージ、シャー・アラムからクアラルンプールまでの47km。当初はクアラルンプール市街地での周回コースが設けられる予定だったが、同市内の交通事情に配慮し、コース短縮の措置がとられる。レース距離や難易度を考慮すると、スプリンターが主役のステージとなりそうだ。スタートは現地時間10時(日本時間11時)と予定されている。
●ジェラジャ・マレーシア第4ステージリザルト
1位 アンドレア・パリーニ(イタリア、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム) 2時間42分29秒
2位 リュン・チュンウィン(香港、チーム ホンコンチャイナ)
3位 アリン・イスワラ(インドネシア、ペガサス コンチネンタルサイクリングチーム)
4位 ソフィアン・ナビル・オマール・モハド・バクリ(マレーシア、ナショナルスポーツカウンシル・オブ・マレーシア サイクリングチーム)
5位 パク・スンベク(韓国、KSPO)
6位 アフィク・フズニー・オスマン・ムハマド(マレーシア、ナショナルスポーツカウンシル・オブ・マレーシア サイクリングチーム)
7位 イルワンディ・ラカセク(マレーシア、マレーシアンアーメドフォースズ)
8位 モハド・ノル・リズアン・ザイナル(マレーシア、マレーシアンアーメドフォースズ)
9位 アダム・アレン(オーストラリア、データ#3シマンテックレーシング p/b スコディ)
10位 レックス・ネデルロフ(オランダ、CCNサイクリングチーム)
15位 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team)
18位 野中竜馬(KINAN Cycling Team)
41位 伊丹健治(KINAN Cycling Team) +08秒
52位 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +48秒
●総合成績
・個人総合時間賞
1位 フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム) 8時間48分53秒
2位 アンドレア・パリーニ(イタリア、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム) +1分23秒
3位 チュン・キンロク(香港、チーム ホンコンチャイナ) +1分26秒
4位 キム・オクチョル(韓国、韓国ナショナルチーム) +1分56秒
5位 ソーフィアン・ハディ(モロッコ、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム) +2分17秒
7位 サイフル・アヌアル・アジズ・モアド(マレーシア、テレンガヌ サイクリングチーム) +2分21秒
8位 マフディ・ラジャビカブードシェスメフ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) +2分22秒
9位 アリン・イスワラ(インドネシア、ペガサス コンチネンタルサイクリングチーム) +2分27秒
10位 マルセロ・フェリペ(フィリピン、チーム セブンイレブンロードバイクフィリピンズ) +2分28秒
14位 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +2分53秒
46位 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +13分46秒
51位 野中竜馬(KINAN Cycling Team) +15分35秒
52位 伊丹健治(KINAN Cycling Team) +15分43秒
・ポイント賞
1位 アンドレア・パリーニ(イタリア、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム) 26pts
2位 パク・スンベク(韓国、KSPO) 25pts
3位 フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム) 18pts
・山岳賞
1位 アミルル・マズキ・ヌル(マレーシア、テレンガヌ サイクリングチーム) 14pts
2位 ハミド・ベイッコルミジ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) 14pts
3位 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) 8pts
・ヤングライダー賞(25歳以下)
3位 マフディ・ラジャビカブードシェスメフ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) +26秒
・チーム総合時間賞
1位 スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム 25時間50分31秒
2位 データ#3シマンテックレーシング p/b スコディ +3分23秒
3位 チーム セブンイレブンロードバイクフィリピンズ +3分54秒
10位 KINAN Cycling Team +24分51秒
・アジアチーム総合時間賞
1位 スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム 25時間50分31秒
2位 チーム セブンイレブンロードバイクフィリピンズ +3分54秒
3位 ピシュガマン・ジャイアントチーム +5分14秒
9位 KINAN Cycling Team +24分51秒
●監督・選手コメント
・石田哲也監督
「逃げこそ決まらなかったが、要所でのアタックに各選手が反応できたことは大きな収穫。逃げ切りの可能性があったグループにジャイや伊丹が入ったことや、阿曽が最後にトライした点など、全体的によい動きだったと思う」
・ジャイ・クロフォード
「調子はよくもなく、悪くもなくといったところだった。前半の逃げグループでは力のあるメンバーがそろっていて、勝負するチャンスがめぐってきたと思ったよ。でもグループ内の協調態勢がとれていなかったんだ。最後の4級山岳でもアタックしたけど、成功させられなかった。山岳ポイントを1位通過できたことだけは満足できるかな」
・伊丹健治
「レース後半にアタックしたのは、最後の4級山岳を越えてすぐのタイミング。先にアタックしていたジャイが吸収されたとほぼ同時にカウンターアタックを試みた。脚のある選手がそろっていて、いつものアジアツアーのレース展開だったら逃げ切りできたと思う。1人でも先頭交代のローテーションを回らない選手が出てしまうと、メーン集団に対してどうしても不利になってしまう」
・野中竜馬
「ステージを追うごとに体は動いてきていて、今日は今大会で一番動けた。序盤の3級山岳2カ所は苦しみながらだったが、その後の下りでペースを上げて集団に再合流することができた」
・阿曽圭佑
「前半でアタックしたときはそのまま逃げられるのではないかと思っていた。ピシュガマンがメーン集団をコントロールしていたが、彼らの間でもその意図が明確ではなく、話し合いながらレースを進めていた。ラスト2.5kmからのアタックでは完全に出し切った」
写真・レポート 福光俊介
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