Le Tour de Filipinas 第4ステージ 160.20km
ツール・ド・フィリピンで伊丹健治が総合 8 位に入り UCI ポイント獲得
ウェズリー・サルツバーガーもポイント賞を守りきる
22th February 2016
●ツール・ド・フィリピン(Le Tour de Filipinas)
第 4 ステージ レガスピ~レガスピ 160.20km
●出場選手
ジャイ・クロフォード
阿曽圭佑
伊丹健治
野中竜馬
ウェズリー・サルツバーガー
ツール・ド・フィリピン(Le Tour de Filipinas、UCI Asia Tour 2.2)は 2 月 21 日、 最終の第 4 ステージが行われ、ステージ 10 位となった伊丹健治が個人総合時間賞において 8 位に食い込んだ。
これにより、UCI2 クラスにおいて上位 8 選手に付与される UCI アジアツアーポイントを 3 点獲得。
また、前日の第 3 ステージを制し、ポイント賞首位に立っていたウェズリー・サルツバーガーもステージ 4 位となり、リーダージャージをキープ することに成功した。
灼熱のフィリピンで繰り広げられた戦いは、このステージでフィナーレを迎えた。
この日 の発着地である街・レガスピのシンボルであるマヨン山の麓を 2 周回するルートは、アッ プダウンに富んだコースで、クイーンステージとの呼び声も高かった。
まさに大会最終日 にふさわしい舞台が用意された。
総合争いもさることながら、ポイント賞や山岳賞をかけた駆け引きが見られることは必至 だった。
39.93km と 112.62km に山岳ポイントが、61.50km と 139.55km にスプリント ポイントがそれぞれ設けられた。
ここまで順調にレースを進めてきた KINAN 勢は、伊丹を少しでも総合上位に送り込むことを最優先に、ポイント賞争いでトップに立つウェズリーのジャージをキープすること、 山岳賞争いで 3 ポイント差の 4 位につけるジャイが逆転でジャージを獲得することも念頭 に置きながら、最終日に臨んだ。
序盤に形成された逃げグループは最大 17 人。
ここにジャイが加わり、山岳ポイントの加算と、メーン集団をコントロールするライバルチームにプレッシャーを与える。
だが、1 回目の山岳ポイントでジャイは 4 位通過に終わり、ポイント加算にはいたらない。
1 周回 目で最大約 4 分あった逃げグループとメーン集団とのタイム差は、距離を追うごとに縮まり、2 周回目に入ったところで逃げメンバーは全員キャッチされた。
すると、地元フィリピン勢を中心に次々とアタックが起こる。
メーン集団はタイム差を調整しながらフィニッシュを目指し、ラスト 7km で逃げていた選手たちを捕まえた。
このままスプリントフィニッシュになるかと思われた矢先、アタッキ・チーム グストのテ ィモシー・ガイ選手(オーストラリア)がアタック。
一瞬の隙を突いた動きは、見る見る 間に集団との差を広げる。
結果的にこの動きが決定打となり、ガイ選手は独走で最後の直線へ。
そのままトップでフィニッシュラインを通過した。
さらに 9 秒差で続いたメーン集 団でも、ガイ選手のチームメートであるキャメロン・ベイリー選手(オーストラリア)が スプリントを制し、アタッキ・チーム グスト勢がワン・ツーフィニッシュを達成した。
メーン集団内でのスプリントに参戦したウェズリーは 4 位となり、フィニッシュポイント を 3 点加算してポイント賞を確定させた。
その後ろでは伊丹もスプリントに臨み、10 位で フィニッシュした。
そのほか KINAN 勢はジャイが 19 位、スタートから終始伊丹のアシストに徹し、役目を 果たした阿曽圭佑と野中はそれぞれ 27 分 36 秒差のグルペットに入り 45 位と 51 位でレー スを終えた。
これにより、伊丹は総合 8 位となった。
総合同タイムの選手とのステージ順位合算の結果、 前日の 6 位から順位こそ落としたものの、チームが目標としていた UCI アジアツアーポイ ント獲得のミッションは達成された。
KINAN 勢は全員完走を果たし、総合ではウェズリ ーが 13 位、ジャイが 19 位、野中が 44 位、阿曽圭佑が 48 位。
チーム総合順位では 5 位との結果。
なお、個人総合優勝は第 2 ステージを独走で勝利したオレグ・ゼムリャコフ選手 (カザフスタン、ヴィノフォーエバー・SKO)だった。
今シーズン 2 戦目、2016 年の UCI アジアツアーでは初戦だった KINAN Cycling Team だが、昨年 12 月のジェラジャ・マレーシア、今年 1 月のスペインでのトレーニングキャンプ、同じくスペインでのボルタ・シクリスタ・ア・ラ・バレンシアナ(UCI ヨーロッパ ツアー2.1)からで続いたよい流れを維持し、一定の成果を挙げた。
今後も UCI ポイント の獲得を最大の狙いに据えながら、アジアを中心に転戦していくこととなる。
ツール・ド・フィリピン第 4 ステージ(160.20km)結果
1 ティモシー・ガイ(オーストラリア、アタッキ・チーム グスト) 3 時間 52 分 50 秒 2 キャメロン・ベイリー(オーストラリア、アタッキ・チーム グスト) +9 秒
3 ジャン・スンジェ(韓国、LX・IIBS サイクリングチーム) +9 秒
4 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +9 秒
5 ジェームス・グラスプール(オーストラリア、チーム ノボノルディスク) +11 秒
6 鈴木龍(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) +11 秒
10 伊丹健治(KINAN Cycling Team) +11 秒
19 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +11 秒
45 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +27 分 36 秒
51 野中竜馬(KINAN Cycling Team) +27 分 36 秒
●個人総合時間賞 1 オレグ・ゼムリャコフ(カザフスタン、ヴィノフォーエバー・SKO) 17 時間 36 分 23 秒
2 エフゲニー・ギディフ(カザフスタン、ヴィノフォーエバー・SKO) +19 秒
3 バトムンフ・マラルエルデネ(モンゴル、テレンガヌ サイクリングチーム) +21 秒
4 ジェシー・ジェームス・イワート(オーストラリア、セブンイレブン・サヴァ RBP) +22 秒
5 マルセロ・フェリペ(フィリピン、セブンイレブン・サヴァ RBP) +1 分 22 秒
6 鈴木龍(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) +1 分 25 秒
8 伊丹健治(KINAN Cycling Team) +1 分 25 秒
13 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +6 分 43 秒
19 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +10 分 5 秒
44 野中竜馬(KINAN Cycling Team) +37 分 43 秒
48 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +48 分 48 秒
●ヤングライダー賞
1 エフゲニー・ギディフ(カザフスタン、ヴィノフォーエバー・SKO) 17 時間 36 分 42 秒
2 バトムンフ・マラルエルデネ(モンゴル、テレンガヌ サイクリングチーム) +2 秒
3 ジェシー・ジェームス・イワート(オーストラリア、セブンイレブン・サヴァ RBP) +3 秒
●チーム総合時間賞
1 ヴィノフォーエバー・SKO 52 時間 53 分 2 秒
2 セブンイレブン・サヴァ RBP +5 分 16 秒
3 テレンガヌ サイクリングチーム +5 分 58 秒
5 KINAN Cycling Team +14 分 36 秒
●ポイント賞
1 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、KINAN Cycling Team) 16pts
2 オレグ・ゼムリャコフ(カザフスタン、ヴィノフォーエバー・SKO) 10pts
3 ティモシー・ガイ(オーストラリア、アタッキ・チーム グスト) 10pts
●山岳賞
1 ロンネル・ヒュアルダ(フィリピン、チーム セブ・コピコ フィリピンズ) 19pts
2 ダディ・スルヤディ(インドネシア、テレンガヌ サイクリングチーム) 18pts
3 オレグ・ゼムリャコフ(カザフスタン、ヴィノフォーエバー・SKO) 10pts
7 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) 9pts
●監督・選手コメント
石田哲也監督
「UCI アジアツアーポイント獲得という目標が達成されたことは素直に喜びたい。シーズ ン序盤から好成績が残せて、アジアをメーンに戦うチームの姿勢を見せられたのではない か。ウェズ(サルツバーガー)のステージ優勝に対する日本からの大きな反響はこちらに 伝わってきていたし、最終的な結果についてもみんなで共有できたらと心から思っている。 選手たちの調子はとてもよいので、この流れを持続していきたい」
ジャイ・クロフォード
「タフなレースの連続だった。それはどのレースにも言えることであり、そこに理由はな いんだ。今大会はウェズがステージ優勝を果たし、伊丹さんが総合 8 位と全体的によい結 果で、とても喜ばしいことだ」
阿曽圭佑
「ステージを追うごとに調子は上がっていた。ただ、自分が思い描いていた走りと実際は 違っていたのが正直なところ。少し体を休めながら、今後に向けて立て直していきたい」
伊丹健治
「UCI アジアツアーポイントが獲得できて嬉しい。みんなが僕をサポートしてくれて、と ても感謝している。特に今日のステージ(第 4 ステージ)は、ジャイさんとウェズさんが 常に近くを走ってくれて、僕は何もしなくても集団前方をキープできるような状況だった。 本当に走りやすくて、あれこそが真のアシストなのだと実感している。今後、エースとア シストの立場が入れ替わることもあるだろうし、今日彼らが見せてくれた姿勢を今度は僕 が果たさないといけないと思っている」
野中竜馬
「伊丹さんの UCI アジアツアーポイント獲得に尽きる。そのためのアシストができたし、 今日のステージもやるだけのことはやってメーン集団を降りた。個人的にも調子がよかっ たので、これからも前向きに走っていけるだろう」 ウェズリー・サルツバーガー 「ハッピーだ。今年最初のアジアでのレースでチームの強さを証明できたし、僕個人とし ても勝利を挙げられたことは満足している。ポイント賞ジャージ獲得ももちろん嬉しいよ」
text&photo:Syunsuke FUKUMITSU
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