Le Tour de Filipinas 第2ステージ 204.82km
ツール・ド・フィリピン第 2 ステージで伊丹健治が 7 位に。
総合ジャンプアップを狙い、残る 2 ステージに挑む
19th February 2016
●ツール・ド・フィリピン(Le Tour de Filipinas)
第 2 ステージ ルセナ~ダエト 204.82km
●出場選手
ジャイ・クロフォード
阿曽圭佑
伊丹健治
野中竜馬
ウェズリー・サルツバーガー
ツール・ド・フィリピン(Le Tour de Filipinas、UCI Asia Tour 2.2)は 2 月 19 日、 第 2 ステージが行われ、レース中盤に形成された逃げグループに加わった伊丹健治がトッ プから 1 分 15 秒差の 7 位でフィニッシュ。
残る 2 ステージで総合成績のジャンプアップ を狙う。
なお、ステージ優勝はヴィノフォーエバー・SKO(VINO 4-EVER SKO)のオレグ・ゼムリャコフ(Oleg ZEMLYAKOV、カザフスタン)だった。
前日の第 1 ステージでは、使用コースの交通渋滞でリザルト(順位)がつかないニュートラル措置がとられたことにより、レースは第 2 ステージから仕切り直しに。
ルセナからダエトまでの 204.82km のルートは今大会最長距離。
22.01km に唯一の山岳ポイントがあるほか、当初 62.38km に設けられる予定だったスプリントポイントは、コースの安全面に配慮し 91km 地点に移動された。
レースは終始出入りの激しい展開となった。
序盤のアタック合戦を経て、11km 地点で 4 人の逃げグループが形成される。
KINAN 勢はこれにジャイを送り込むことに成功。
そのまま山岳ポイントへと突入し、ジャイは 2 位通過。7 ポイントを獲得した。
一時は約 3 分まで広がったタイム差だが、メーン集団が時速 50km 前後で猛追を始めると、 あっという間にジャイたちは捕まってしまった。
その後はアタックの応酬となり、スタートから 69km を迎えたところで、16 人の逃げグループが形成された。
これには伊丹とウェズリーが KINAN 勢から加わった。
その後、ジャイが逃げグループへの合流を図るシーンもあったが、激しい動きの中で前方に残ったのは伊丹だけに。
一方で、ライバルチームは最大で 3 人を先頭に送り込むなどし、 優位にレースを展開する。
徐々にステージ優勝争いのメンバーが絞られ、12 人で終盤へ。
残り 11km となったところでカザフスタンロードレースチャンピオンのゼムリャコフがアタック。
これが決まり、フィニッシュまでを独走。
追走グループが形成されるも、3 人を前方に送り込んでいたヴィノフォーエバー勢がライバルをしっかりとチェックし、トップへの合流を許さなかった。
単独でフィニッシュを果たしたゼムリャコフから 16 秒後、2 位争いのスプリントをチーム メートのエフゲニー・ギディフ(カザフスタン)が制し、ヴィノフォーエバーがワン・ツ ーフィニッシュを達成。
さらに 1 分以上の差で伊丹が 7 位でフィニッシュした。
当初ステージ 5 位争いのグループに位置していた伊丹だったが、ラスト 1km 付近で他選手と接触し落車。
救済措置がとられ、ステージ 5 位と同じトップから 1 分 15 秒差のフィニッシュとして扱われた。
メーン集団はトップから 9 分 58 秒差でレースを終えた。
この中でフィニッシュした野中が 16 位、ウェズリーが 25 位、ジャイが 30 位。
阿曽圭佑はグルペットでゴールを目指し、 トップから 21 分 3 秒差の 51 位だった。
この結果、ステージ優勝のゼムリャコフがリーダージャージに袖を通し、伊丹は 1 分 25 秒差の総合 7 位に位置。
メーン集団が大きく遅れてフィニッシュしたことから、総合争いは事実上、首位から約 3 分の間に入った 12 選手に絞られたと言えそうだ。
また、ジャイ が山岳賞争いでトップと 3 ポイント差の 4 位につけた。
20 日に行われる第 3 ステージは、ダエトからレガスピまでの 185.79km。
細かなアップダ ウンこそ続くものの、カテゴリー山岳は設けられておらず、スピードに富んだ展開となる だろう。
スプリントポイントは 60km と 102.1km の 2 カ所。
付与されるタイムは 1 位 3 秒、2 位 2 秒、3 位が 1 秒。
なお、フィニッシュ地点では 1 位 10 秒、2 位 6 秒、3 位 4 秒 がボーナスとなるため、総合順位を上げようとスプリントを試みる選手も多くなりそうだ。
好調の伊丹を総合の好位置に送り込んだ KINAN Cycling Team としては、チーム一丸と なって残る 2 ステージでさらなる上位進出を目指すこととなる。
ツール・ド・フィリピン第 2 ステージ(204.82km)結果
1 オレグ・ゼムリャコフ(カザフスタン、ヴィノフォーエバー・SKO) 5 時間 8 分 48 秒
2 エフゲニー・ギディフ(カザフスタン、ヴィノフォーエバー・SKO) +16 秒
3 ジェシー・ジェームス・イワート(オーストラリア、セブンイレブン・サヴァ RBP) +16 秒
4 バトムンフ・マラルエルデネ(モンゴル、テレンガヌ サイクリングチーム) +16 秒
5 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、チーム UKYO) +1 分 15 秒
6 マルセロ・フェリペ(フィリピン、セブンイレブン・サヴァ RBP) +1 分 15 秒
7 伊丹健治(KINAN Cycling Team) +1 分 15 秒
16 野中竜馬(KINAN Cycling Team) +9 分 58 秒
25 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +9 分 58 秒
30 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +9 分 58 秒
51 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +21 分 3 秒
●個人総合時間賞
1 オレグ・ゼムリャコフ(カザフスタン、ヴィノフォーエバー・SKO) 9 時間 12 分 17 秒
2 エフゲニー・ギディフ(カザフスタン、ヴィノフォーエバー・SKO) +19 秒
3 ジェシー・ジェームス・イワート(オーストラリア、セブンイレブン・サヴァ RBP) +22 秒
4 バトムンフ・マラルエルデネ(モンゴル、テレンガヌ サイクリングチーム) +23 秒
5 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、チーム UKYO) +1 分 25 秒
6 マルセロ・フェリペ(フィリピン、セブンイレブン・サヴァ RBP) +1 分 25 秒
7 伊丹健治(KINAN Cycling Team) +1 分 25 秒
16 野中竜馬(KINAN Cycling Team) +10 分 8 秒
25 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +10 分 8 秒
30 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +10 分 8 秒
51 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +21 分 13 秒
●ヤングライダー賞
1 エフゲニー・ギディフ(カザフスタン、ヴィノフォーエバー・SKO) 9 時間 12 分 36 秒
2 ジェシー・ジェームス・イワート(オーストラリア、セブンイレブン・サヴァ RBP) +3 秒
3 バトムンフ・マラルエルデネ(モンゴル、テレンガヌ サイクリングチーム) +4 秒
●チーム総合時間賞
1 ヴィノフォーエバー・SKO 27 時間 40 分 34 秒
2 セブンイレブン・サヴァ RBP +8 分 16 秒
3 テレンガヌ サイクリングチーム +8 分 58 秒 5 KINAN Cycling Team +17 分 58 秒
●ポイント賞
1 オレグ・ゼムリャコフ(カザフスタン、ヴィノフォーエバー・SKO) 10pts
2 エフゲニー・ギディフ(カザフスタン、ヴィノフォーエバー・SKO) 8pts
3 バトムンフ・マラルエルデネ(モンゴル、テレンガヌ サイクリングチーム) 6pts
●山岳賞
1 オレグ・ゼムリャコフ(カザフスタン、ヴィノフォーエバー・SKO) 10pts
2 ザンドス・ビジギトフ(カザフスタン、ヴィノフォーエバー・SKO) 10pts
3 スリャディ・ダディ(インドネシア、テレンガヌ サイクリングチーム) 8pts
4 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) 7pts
●監督・選手コメント
石田哲也監督
「有力チームが逃げグループに 3 人を送り込んでいた中で、われわれは伊丹しか加われなかったことで勝負を厳しいものにしてしまった。そうした状況下で、伊丹は最終局面での落車こそ悔やまれるが、全体的によくやってくれた。とはいえ、結果には満足できるものではないし、まだまだ戦いは長いので、UCI ポイント獲得という目標に向かってしっかりと走りたい。不整地がコースに組み込まれているケースが多いので、パンクなどのトラブルにも注意をしていきたい」
ジャイ・クロフォード
「メンバーを前方に複数送り込んで勝負がしたかった。カザフスタン勢は強力であることは知っていたし、実力通りの走りをしたといえる。第 3 ステージからは彼らがレースをコントロールするだろうね。僕たちはトライをし続けることが大切だね」
阿曽圭佑
「終始調子が上がらず、思い描いていた走りができなかった。暑さも関係して少し疲労が出てしまったのかもしれない。調子を立て直して第 3 ステージに臨みたい」
伊丹健治
「数的優位に持ち込んだチームに上位を占められてしまった。数人で逃げグループに入れれば、もっと違った展開にできたはずだ。落車はステージ順位を争う中での他選手との接触。次のステージまでには痛みを減らしたい」
野中竜馬
「決定的な逃げグループが形成されたときに自分が動けていれば、という思いがある。まだまだチャンスはあるはずなので、しっかりとモノにしていきたい。チームオーダー次第ではあるが、伊丹さんの総合順位を意識して走ることになるだろう」
ウェズリー・サルツバーガー
「とにかくクレイジーなレースだったよ。暑さも避けられない問題だ。そして今日は特に 伊丹さんの落車が残念だった。残るステージもやるしかないね、チャレンジの連続さ」
text&photo:Syunsuke FUKUMITSU
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