「 Yasunoriaaca 加藤康則」 のブログ

2017年から加藤康則の個人ブログに戻ります。更新頻度は?はてさて。。。

第 50 回 JBCF 西日本ロードクラシック 広島大会 Day-1

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第 50 回 JBCF 西日本ロードクラシック 広島大会 Day-1 地元凱旋の野中竜馬が終盤に見せ場を作り、次戦につなぐ

3rd July 2016

●第 50 回 JBCF 西日本ロードクラシック 広島大会 Day-1 2016年7月2日開催
12.3km × 6 周回

● KINAN Cycling Team 出場選手

阿曽圭佑

伊丹健治

阿曽光佑

野中竜馬

中西重智

国内最高峰のロードレースシリーズ、J プロツアーの今季第 8 戦「第 50 回 JBCF 西日本 ロードクラシック 広島大会」は、Day-1 のレースを 7 月 2 日に実施。5 選手が出場した KINAN Cycling Teamは、終盤に見せ場を作った野中竜馬がチーム最高の15位でフィニッシュした。

レースは『広島県中央森林公園』内に設けられた、12.3km の周回コースで行われた。起 伏に富み、名物の「三段坂」はその名の通り、3 つの坂が立て続けに現れる難所。特に 3 つ目の坂は最大勾配 13 %と、レースをサバイバル化するには最適なポイントでもある。

今大会は 2 日間にわたって行われ、Day-1 は 6 周回・73.8km で争われた。KINAN 勢は 野中のほか、阿曽圭佑、伊丹健治、阿曽光佑、中西重智が参戦。野中にとっては、地元・ 広島での凱旋レースでもある。

スタートから逃げ狙いのアタックが散発したが、1 周回目の終わりから 2 周回目の前半に かけて約 10 人が先行したことで、集団がより活性化。この動きに野中が反応するが、いずれの選手も逃げグループ形成には至らず、一旦集団に吸収される。しかし、直後に 4 人が飛び出しに成功。力のある選手たちが先頭集団を作ったが、メイン集団のペース上がらず、前を行く 4 人を容認する格好となった。

中盤は KINAN 勢がメイン集団のペースメイクを担う場面もあったが、有力チームの選手 によるアタックもあり、ペースが一定しない。一方で、逃げる 4 人は快調にリードを広げ、4 周回目には 1 分 35 秒差となった。

5 周回目に入り、わずかなチャンスにかけるべくメイン集団のペースが上がり、徐々にタ イム差が縮小する。その差 1 分 15 秒でラスト 1 周の鐘を聞いた。

最終局面を前に力を発揮したのが、阿曽圭佑。メイン集団の先頭に立ち、猛然と牽引。先 頭 4 人との差をぐんぐん縮める。そして、三段坂で先頭へのブリッジを狙ったアタック合 戦が始まる。今度はこの動きに野中が対応。野中を含む 4 人の追走グループが前を追う。 下り区間で野中がペースアップを図る場面もあったが、メイン集団がそれを許さず、いずれの選手も吸収されてしまった。

結局、レース前半から逃げ続けた 4 人がそのまま優勝をかけたスプリントに。最後は増田 成幸選手(宇都宮ブリッツェン)が、僅差で中根英登選手(愛三工業レーシングチーム) をかわし優勝。その後方でメイン集団による上位争いのスプリントが繰り広げられ、野中 が 15 位でフィニッシュした。

そのほか、KINAN 勢は献身的な走りを見せた阿曽圭佑が 51 位、中西が 54 位、阿曽光佑 が 58 位、体調不良を押して臨んだ伊丹は翌日のレースに備え、中盤でリタイアしている。

他チームと比較し、少ない人数での参戦となっているKINAN Cycling Teamだが、でき うる限りの戦いぶりを見せ、次戦につながる走りとなった。今大会の Day-2 は 7 月 3 日、 同会場にて行われる。距離が伸び、12 周回・147.6km で争われ、KINAN 勢は Day-1 と 同じメンバーで参戦する。

第 50 回 JBCF 西日本ロードクラシック 広島大会 Day-1(12.3km × 6 周回)結果

1 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) 1 時間 47 分 29 秒
2 中根英登(愛三工業レーシングチーム) +0 秒
3 ホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +0 秒

4 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) +1 秒
5 吉田隼人(マトリックスパワータグ) +6 秒
6 ベンジャミン・プラデス(チーム UKYO) +7 秒
7 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン) +7 秒
8 サルバドール・グアルディオラ(チーム UKYO) +7 秒
9 早川朋宏(愛三工業レーシングチーム) +8 秒
10 ロイック・デリアック(ニールプライド南信スバルサイクリングチーム) +8 秒

13 野中竜馬(KINAN Cycling Team) +15 秒
51 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +3 分 47 秒
54 中西重智(KINAN Cycling Team) +7 分 10 秒
58 阿曽光佑(KINAN Cycling Team) +7 分 56 秒
DNF 伊丹健治(KINAN Cycling Team)

●選手コメント

野中竜馬
「ラスト 1 周でアタックした局面も、前を追うために下り区間で自ら牽いた場面も、力を使いきらず、余力を残しながらチャンスをうかがった。結果的に勝負に絡むことはできなかったが、調子のよさを実感できたレースとなった。全日本選手権以降も充実した練習ができ、よい流れで今大会を迎えている。

ラスト 1 周で(阿曽)圭佑の牽きがよくて、そのおかげで三段坂でのアタックができた。 レース展開次第では、圭佑にも勝つチャンスがかなり高い確率でめぐってくると思うし、 Day-2 も圭佑か僕かどちらかで勝利を狙っていけるよう組み立てたい」

text&photo:Syunsuke FUKUMITSU

 

▼KINAN Cycling Teamは皆様に支えられ活動しています。

-株式会社キナン http://www.kinan.co.jp/
-NPO法人 SPORTS PRODUCE 熊野 http://www.nspk.net/
-YONEX http://www.yonex.co.jp/roadbike/
-Champion System Japan http://www.champ-sys.jp/
-FULCRUM http://www.riogrande.co.jp/brand/node/2440
-IRC TIRE http://www.irc-tire.com/ja/bc/
-uvex http://www.uvex-sports.jp/
-ATHLETUNE http://www.athletune.com/
-WAKO‘S http://www.wako-chemical.co.jp/
-igname Sports Aroma http://www.igname.net/
-DISSETARE http://www.dissetare.com/
-KINANCyclingTeam http://kinan-cycling.com/
-KINAN AACAcup http://www.coupedeaaca.com

-Twitter @teamKINAN

第85回全日本自転車競技選手権大会ロード・レース 男子エリートロードレース

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第 85 回全日本自転車競技選手権大会ロード・レース 男子エリートで野中が 7 位、阿曽圭佑が 18 位でフィニッシュ

26th June 2016

●第85回全日本自転車競技選手権大会ロード・レース 男子エリートロードレース 2016年6月26日開催
154.7km

● KINAN Cycling Team 出場選手

阿曽圭佑

伊丹健治

阿曽光佑

野中竜馬

中西重智

2016 年のサイクルロードレース日本チャンピオンを決める、全日本自転車競技選手権ロ ード・レースは 6 月 26 日、大会最終種目である男子エリートロードレースが行われた。 KINAN Cycling Teamからは5選手が出場し、野中竜馬が7位、阿曽圭佑が18位でフィニッシュした。

東京都大島町で開催された今回は、大島支庁を発着点とする11.9kmの周回コースが舞台。 男子エリートロードは 13 周回・154.7km で争われた。大会全体を通して不安視された天候は落ち着き、曇り空の中でのレースとなった。一方で、前日に行われた女子エリートロードレースでは風に煽られての落車が起きており、風速 10m を超える南風には細心の注意を払う必要があった。

コースは、大島支庁を出発し約 3km 上り、その後約 3km 下って海沿いへ。海を横目にしばし平坦を進み、最後の 1km から大島支庁までは上り基調に。アップダウンに富んだレイアウトといえる。

午前 8 時にレースがスタート。その直後から逃げを狙ってのアタックが頻発。なかなか逃げが容認されず、序盤からハイスピードで進む。3 周回目に 1 人が飛び出し、次の周回でもう 1 人が合流。2 選手がレースを先行した。

その間、KINAN 勢は伊丹健治が体調不良で 2 周回目の途中でストップ。バイクを降りて そのままリタイアした。ほか 4 人はメイン集団でレースを進めていたが、阿曽光佑のバイクにトラブルが発生。ニュートラルサービスのホイールを借りて再出走したが、メイン集団への復帰が難しいものとなってしまった。その後、中西重智とともにリタイアとなった。

中盤も 2 選手がリードを続ける。メイン集団に対し最大で 3 分差で先を急ぐ。メイン集団では、阿曽圭佑が先頭を牽く場面もあったが、やがてブリヂストンアンカーサイクリングチームがコントロールを本格的に開始。途中、リオデジャネイロ五輪代表候補の内間康平 選手(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)の落車に伴い、集団が自発的にスピードを落とし、内間選手の復帰を待つ動きがあったものの、その後ペースを戻して徐々にトップ 2 人との差を縮めていく。

長い時間逃げ続けた 2 人は、残り 3 周までにメイン集団が吸収。フィニッシュに向けた動きがいよいよ激化する。残り 2 周に入り、上りで 7 人が抜け出すが、これはメイン集団がしっかりとチェック。メイン集団は 1 つのまま、ラスト 1 周の鐘を聞いた。KINAN 勢は 野中、阿曽圭佑が集団に残り、勝負どころに備える。

決定的な動きは、やはり上り区間で起こった。アタックをきっかけに 14 人がメイン集団 から抜け出すと、その中からさらに 3 人が先行。1 人が追走に動き、そのほかはメイン集団がキャッチ。しかし、前を行く 4 人の勢いは落ちず、そのまま逃げ切りが濃厚に。KINAN 勢はこの動きにメンバーを送り込めず、阿曽圭佑が集団牽引を担って懸命に追ったが、あ と一歩及ばなかった。

結果的に、集団のメンバーによるゴールスプリントで野中が 3 番手でフィニッシュ。先に ゴールした 4 選手と合わせて 7 位となった。中盤、終盤とアシストとしての動きを見せつつ、自らの勝負も見据えて走った阿曽圭佑は 18 位。なお、優勝はブリヂストンアンカー サイクリングチームの初山翔選手。2 位には西薗良太選手が続き、ワン・ツーフィニッシュを達成した。

シーズン前半の好調を維持し、今大会に臨んだ KINAN 勢。複数人のトップ 10 入りと UCI (国際自転車競技連合)ポイント獲得を目指して出走し、野中の 7 位と UCI ポイント 15 点と、一定の成果を残した。序盤からハイペースでレースが進み、次々と選手が脱落するサバイバルな展開の中で、2 選手が完走した。

この大会を境に、サイクルロードレースシーズンは後半戦へ。KINAN Cycling Team は、7 月 2・3 日の JBCF 西日本クラシックに参戦。今シーズン、まだ果たせていない国内メジャーレースでの初勝利を狙って出場することとなる。

第 85 回全日本自転車競技選手権大会ロード・レース 男子エリートロードレース (154.7km)結果

1 初山翔(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 4 時間 14 分 57 秒

2 西薗良太(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +0 秒

3 木村圭佑(シマノレーシング) +2 秒

4 石橋学(NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +42 秒

5 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +43 秒

6 鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +43 秒

7 野中竜馬(KINAN Cycling Team) +44 秒

8 平井栄一(チーム UKYO) +44 秒

9 土井雪広(マトリックスパワータグ) +44 秒

10 山下貴宏(シエルヴォ奈良 MIYATA-MERIDA レーシングチーム) +44 秒

18 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +47 秒

DNF 伊丹健治(KINAN Cycling Team)

DNF 阿曽光佑(KINAN Cycling Team)

DNF 中西重智(KINAN Cycling Team)

text&photo:Syunsuke FUKUMITSU

 

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第 85 回全日本自転車競技選手権大会ロード・レース KINAN Cycling Team が開催地・大島入り

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第 85 回全日本自転車競技選手権大会ロード・レース

KINAN Cycling Team が開催地・大島入り

24th June 2016

●第85回全日本自転車競技選手権大会ロード・レース 男子エリートロードレース 2016年6月26日開催
154.7km

● KINAN Cycling Team 出場選手

阿曽圭佑

伊丹健治

阿曽光佑

野中竜馬

中西重智

2016 年シーズンの日本チャンピオンを決める、全日本自転車競技選手権大会ロード・レ ースが 6 月 24 日に開幕。男子エリートロードレースへの出場を 2 日後に控える KINAN Cycling Team は、この日早朝に大島入り。到着早々、レースに向けたトレーニングを行った。

5 月下旬から 6 月上旬にかけて行われたツアー・オブ・ジャパン(UCI アジアツアー 2.1)、 6 月 16 ~ 19 日に臨んだツール・ド・熊野(UCI アジアツアー 2.2)と、重要レースを終 えたチームは、シーズン前半戦の締めくくりとして全日本選手権に出場する。

出場するのは、阿曽圭佑、伊丹健治、阿曽光佑、野中竜馬、中西重智の 5 人。熊野でアシ ストとして機能した伊丹と野中、ツアー・オブ・ジャパンを終えてコンディション調整に 努めた阿曽圭佑、そして国内レースを中心に調子を上げている阿曽光佑と中西と、いずれ の選手も順調にこのタイミングを迎えている。

選手・スタッフ一行は、23 日夜に東京・竹芝埠頭を出航し、夜行便で大島へ。24 日早朝 に大島入りし、しばしの休憩を経てトレーニングへ。2 日後に走行するコース試走を兼ねて、約 2 時間半のライドを行った。

大島町で開催されるサイクルロードレースのビッグレースは、今年 1 月のアジア選手権ロ ードレース以来。アップダウンや海岸線での風など、レースを左右する要素が数多く潜む コースが用意される。1 周 11.9km の周回コースが設けられ、男子エリートロードレース は 13 周回・154.7km で争われる予定だ。なお、気象条件によっては周回数を減らすなど の措置が講じられる可能性もある。

今シーズン、国内外のレースで実力を発揮してきたKINAN Cycling Teamだが、日本人 ライダーの頂点を決める大会でその真価が問われることとなる。レースのスタートは 26 日 8 時と予定されている。

text&photo:Syunsuke FUKUMITSU

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Tour de 熊野(Tour de KUMANO, UCI Asia Tour 2.2) 第3ステージ 100.0km

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4 日間にわたる Tour de 熊野の戦いが終了
KINAN 勢はウェズリーが山岳賞、チーム総合で 1 位と成果を残す

20th June 2016

 

● Tour de 熊野(Tour de KUMANO, UCI Asia Tour 2.2) 第3ステージ 100.0km

●出場選手
ジャイ・クロフォード
伊丹健治
マルコス・ガルシア
リカルド・ガルシア
野中竜馬
ウェズリー・サルツバーガー

国内3大ツアーの1つ「Tour de熊野」2016年大会は6月19日、4日間の戦いを終えて 閉幕。KINAN Cycling Team は、前日に総合 2 位に浮上したマルコス・ガルシアをトップに送り出すべく、再三の攻撃を見せたが、レース後半のアクシデントで順位を下げてし まった。代わってチーム最上位となったのは、ジャイ・クロフォードの総合 6 位。一方で、 ウェズリー・サルツバーガーが山岳賞を獲得し、ステージ上位 3 選手のフィニッシュタイム合算によって争われるチーム総合でも 1 位となり、ホストチームとしての責任を果たした。

今大会の最後を飾るのは、太地半島をめぐる 10km のサーキット。美しい海が眼前に広が るコースを舞台に、10 周回 100km で争われた。太地港からの上りや、テクニカルなコーナーが待ち受けるダウンヒルなど、変化に富んだルート設計なのが特徴だ。

前日の第 2 ステージまでを終えた時点で、マルコスが総合成績でトップのオスカル・プジ ョル選手(スペイン、チーム右京)から 9 秒差。ジャイ・クロフォードとリカルド・ガルシアもプジョル選手から 37 秒差と、総合での逆転が視野に入る位置につけた。

 

レースが始まると、やはり KINAN 勢を中心に動きを見せる。再三のアタックで積極的に 展開したが、3 周回目に逃げを決めた 6 人の中に KINAN からメンバーを送り込まず、メイン集団で勝負することとなった。

KINAN 勢は、プジョル選手擁するチーム右京と睨み合いながら中盤までを進めた。マル コスやジャイ、リカルド、野中、伊丹、そして山岳賞ジャージを着るウェズリーも再三に渡りアタック。キナンサイクリングチーム全員による総攻撃をチーム右京の選手たちがチェックし続けた。

レース前半に降り始めた雨が、周回を追うごとに強くなっていき、さらには風にも苦しめられる状況に。そんな中、攻勢に出ていた KINAN 勢に勝負の行方を左右する瞬間が訪れた。8 周回目、ダウンヒル区間でマルコスが落車してしまったのだ。強い雨で視界が悪い状況下で、コース内に流れてきたと見られる塵を踏んだのか、激しいパンクでバランスを 崩し路面に叩きつけられた。タイミングをほぼ同じくして、チーム右京がメイン集団をペ ースアップ。マルコスを戻したいKINAN 勢は、リカルドやウェズリー・サルツバーガー、 野中竜馬が懸命のアシストを見せる。

しかし、健闘むなしく、マルコスがプジョル選手が含まれたグループに復帰することはできなかった。チームで唯一メイン集団に残って走り続けたジャイが 14 位でフィニッシュしたのがステージ最上位。マルコスはトップから 1 分 20 秒遅れ、プジョル選手や総合上 位陣から約 1 分遅れてフィニッシュとなった。なお、逃げグループでレースを進めた大久保陣選手(宇都宮ブリッツェン)がステージ優勝を果たしている。

この結果、プジョル選手が個人総合時間賞を守りきったほか、チームメートのベンジャミン・プラデス選手(スペイン)が 2 位となり、チーム右京勢がワンツーフィニッシュ。 KINAN 勢はジャイが総合 6 位、マルコスが 10 位だった。

また、ウェズリーが山岳賞ジャージを獲得し、チーム総合でも 1 位。目標としていた個人総合での優勝はならなかったが、メインスポンサー『株式会社キナン』のお膝元で行われるこの大会において、改めてチーム力の高さを示す結果を残した。

18 回目のツール・ド・熊野は、インターネットでabemaTV FRESH!によるライブ配信や会場内での実況・解説、メインステージでのイベントなど、これまで以上の盛り上がりを見せた。地元の人々 による熱心な応援、主催者をはじめ関係者によるオーガナイズと、大会成功に向けた努力 も出場チームの選手・スタッフを後押しした。来年以降の開催についても、国際自転車競技連合(UCI)アジアツアーとしてのステータスや人気、注目度が増すステージレースとなることが大いに期待される。

そして、KINAN Cycling Team は次戦、各国の王者を決める国内選手権に出場する。全 日本選手権とスペイン選手権が 6 月 26 日に行われ、チャンピオンジャージをかけた戦いに臨むこととなる。

Tour de 熊野第 3 ステージ(100.0km)結果
1 大久保陣(宇都宮ブリッツェン) 2 時間 32 分 29 秒
2 アイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ) +0 秒
3 木村圭佑(シマノレーシングチーム) +2 秒
4 ジョン・アベラストゥリ(チーム右京) +19 秒
5 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +19 秒
6 内間康平(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +19 秒
14 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +26 秒
19 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +1 分 20 秒
22 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +1 分 20 秒 秒
27 リカルド・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +2 分 16 秒
31 野中竜馬(KINAN Cycling Team) +2 分 54 秒
DNF 伊丹健治(KINAN Cycling Team)

●個人総合時間賞
1 オスカル・プジョル(スペイン、チーム右京) 7 時間 58 分 13 秒

2 ベンジャミン・プラデス(スペイン、チーム右京) +31 秒

3 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +35 秒

4 ホセヴィセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ) +43 秒

5伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム) +44秒

6 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +44 秒

10 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +1 分 30 秒

12 リカルド・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +2 分 34 秒

25ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、KINAN Cycling Team)+10分16 秒

41 野中竜馬(KINAN Cycling Team) +18 分 20 秒

●ポイント賞 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、チーム右京) 42pts

●山岳賞
ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、KINAN Cycling Team) 18pts

●チーム総合時間賞
1 KINAN Cycling Team 23 時間 58 分 13 秒

●監督・選手コメント

石田哲也監督

「個人総合での逆転を目指し、攻撃的に走ることを心がけた。結果的に勝利には結びつかなかったが、最後まで諦めずに仕掛け続けられて、悔いのない戦いができた。山岳賞とチーム総合で 1 位となり、地元の方々に喜んでもらえる成果を残せたのではないか。来年こそは個人総合での優勝を目指す」

ジャイ・クロフォード

「クラッシュやトラブルも含め、すべてがロードレースなんだ。結果を受け入れるよ。何より、素晴らしい戦いだった。みんな強かったし、何度もアタックを仕掛けられた。チームはスタートしてまだ 2 年目。これからもっともっと強くなるし、どんなチームでも徐々に力をつけて戦えるようになるんだ。僕たちのチームは今、その過程にあるし、確実に強いチームになると確信しているよ。勝利は次のチャンスでつかめるはずだ」

伊丹健治

「山岳賞とチーム総合で 1 位になれてよかった。個人的には調子が思うように上がらず、 苦しい走りとなってしまったが、その中でできることを精一杯やった」

マルコス・ガルシア

「全力を尽くした。チームのみんなや、支えてくださる方々のおかげで良い走りができたので、心から感謝している。今日はたまたま残念な 1 日だったけど、別の機会には勝つことができると思う。落車した際の傷は少し痛むけれど、問題はないよ」

リカルド・ガルシア

「今日は残念だった。だが、ジャイが総合 6 位となり、ウェズが山岳賞を獲れたのはうれしい。次はスペイン選手権。よい結果を残したいね」

野中竜馬

「マルコスの総合逆転のため、みんなで次々とアタックを仕掛けて、ライバルチームを追い込めたのはよかった。結果的に順位を上げることはできなかったが、あと少しで逆転が見えるところまできていた手ごたえはあった。来年こそは熊野での勝利を果たしたい」

ウェズリー・サルツバーガー

「よい戦いができた。今日のみんなは本当に強かったし、勝てる可能性もあった。ただ、 勝利を手にすることの難しさも実感させられた。インドネシア、日本と転戦し、チームの強さを証明できたことは満足している。そして、ツール・ド・熊野で山岳賞が獲れてうれしい。角口会長にも喜んでもらえるんじゃないかな」

text&photo:Syunsuke FUKUMITSU 

 

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Tour de 熊野(Tour de KUMANO, UCI Asia Tour 2.2) 第2ステージ 109.3km

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Tour de 熊野第 2 ステージ、本格山岳でマルコスが 2 位

逃げに入ったウェズリーが山岳賞、チーム総合でも首位に立つ

18th June 2016

● Tour de 熊野(Tour de KUMANO, UCI Asia Tour 2.2) 第2ステージ 109.3km

●出場選手
ジャイ・クロフォード
伊丹健治
マルコス・ガルシア
リカルド・ガルシア
野中竜馬
ウェズリー・サルツバーガー

国内3大ツアーの1つ「Tour de熊野」2016年大会は6月18日、熊野山岳を舞台とした 第2ステージを実施。ホストチームとして臨んでいるKINAN Cycling Teamは、マルコス・ガルシアが 2 位フィニッシュ。個人総合で 2 位に浮上したほか、序盤から逃げグループでレースを進めたウェズリー・サルツバーガーが山岳ポイントを稼ぎ、山岳賞ジャージ を獲得。ステージ上位 3 選手のフィニッシュタイム合算によって争われるチーム総合でも 首位に立った。

この大会における最大のポイントとなるのが、熊野山岳で行う第 2 ステージ。三重県熊野市、紀和町御浜町の三市町にまたがるルートで、熊野倶楽部前をスタート・フィニッシュ地点とし、10km のパレード区間を経て、109.3km の距離で争われた。風光明媚な熊野 名物「千枚田」をレース前半と後半に 1 回ずつ上り、中盤には最大の山岳ポイントである 札立峠を越える、今大会のクイーンステージ。狭く急なダウンヒルも待ち受け、登板力と バイクテクニックが要求される。

レースは序盤に 5 人の逃げグループが形成され、その中にウェズリーが加わった。快調に 飛ばし、スタートから約 30km で迎える 1 回目の千枚田ではウェズリーが 1 位通過。山岳ポイントを 7 点獲得した。

一方で、メイン集団のコントロールを KINAN 勢が担い、50km 地点を超えて訪れる札立 峠の頂上に向けて、少しずつ前を行く 5 人との差を縮めていった。やがて 4 ~ 5 人の追走 集団が発生し、総合成績を狙えるマルコス、ジャイ、リカルドが加わる。

その間、先行するウェズリーは札立峠頂上も 1 位通過。山岳ポイントを 17 点に伸ばし、 このステージを終えた段階での山岳賞ジャージ獲得が決まった。その後の下りを終えた直 後に、追走グループが次々と先頭 5 人に合流。13 人の先頭集団となり、そのうち KINAN 勢は 4 人と数的優位に立つ。

そこで強力牽引を見せたのがウェズリー。ペースを上げ、2 回目の千枚田へと突入。そし て、マルコスが満を持してアタック。これに対応できたのはオスカル・プジョル選手(スペイン、チーム右京)ただ 1 人。2 人のマッチアップが始まると、後続との差が少しずつ 広がっていき、頂上を超えて下りを終える頃には 30 秒近い差となった。

約 2 週間前のツアー・オブ・ジャパンの再現となった両者の勝負は、フィニッシュ前の急 坂に委ねられた。プジョル選手が力強いダンシングで前へ出ると、マルコスも対抗するが、 抜き返すことができない。結局、そのままフィニッシュを迎え、プジョル選手が優勝、マルコスは 2 秒差で 2 位となった。

この結果、プロローグでのタイム差 3 秒と、このステージのフィニッシュでのボーナスタ イムとを合わせ、プジョル選手が個人総合時間賞で首位に立ちリーダージャージを獲得。 マルコスは 9 秒差の 2 位に。ウェズリーの山岳賞に加え、この日はステージ 4 位のジャイ、5 位にリカルドが入り、チーム総合でもトップに浮上した。

その他の KINAN 勢は、渾身のアシストを見せたウェズリーが 32 位、同様にアシストに 回った伊丹が 60 位、野中が 70 位でフィニッシュしている。

翌 19 日は最終日。和歌山県太地町で第 3 ステージが行われる。1 周 10km の周回コース を 10 周する 100km で争われ、例年アップダウンをものともしないハイスピードで展開さ れる。個人総合成績のシャッフルも考えられ、混戦となった総合上位陣の争いも予断を許 さない状況だ。

Tour de 熊野第 2 ステージ(109.3km)結果

1 オスカル・プジョル(スペイン、チーム右京) 2 時間 47 分 38 秒

2 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +2 秒

3 ベンジャミン・プラデス(スペイン、チーム右京) +27 秒

4 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +27 秒

5 リカルド・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +27 秒

6 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +27 秒

32 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +8 分 45 秒 秒

60 伊丹健治(KINAN Cycling Team) +15 分 36 秒

70 野中竜馬(KINAN Cycling Team) +15 分 36 秒

●個人総合時間賞

1 オスカル・プジョル(スペイン、チーム右京) 5 時間 25 分 25 秒

2 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +9 秒

3 ベンジャミン・プラデス(スペイン、チーム右京) +31 秒

4 平塚吉光(愛三工業レーシングチーム) +33 秒

5 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +35 秒

6 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +37 秒

7 リカルド・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +37 秒

31 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +8 分 55 秒

61 野中竜馬(KINAN Cycling Team) +15 分 45 秒

73 伊丹健治(KINAN Cycling Team) +22 分 49 秒

●ポイント賞 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、チーム右京) 28pts

●山岳賞
ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、KINAN Cycling Team) 17pts

●チーム総合時間賞
1 KINAN Cycling Team +16 時間 17 分 40 秒

●監督・選手コメント

石田哲也監督

「これだけステージレースらしいコースを走れることはそう多くはないので、素晴らしい 熊野の地を舞台にレースができることは、地域の方々の協力がないと叶えられないことだ。 レースそのものは、ウェズが上手く逃げグループに入って前待ちができたことで、後半に エース 3 人が合流した段階で数的優位にも立てた。プロローグと第 1 ステージを終えた時点で、総合トップと大きなタイム差なく終えられたことによって、今日は距離を追うごとに自分たちの展開に持ち込むことができた。そして、ウェズが 2 回目の千枚田に向けてペ ースを上げて、有力選手だけが優勝争いに残った中で、各チームのエース同士が正面から ぶつかり合えたことはよかったのではないか。KINAN Cycling Team としては、レース を組み立てる力がかなり高まっている。その証拠に、出場するレースにおいてチーム総合 で首位に立つことが多くなっているし、あらゆる局面で勝てる可能性を高めることができている点はチームの強みであり、今回の収穫でもある。ダウンヒルではドライな箇所とウエットな箇所とがあって、落車した選手がいた中で、各選手クラッシュなく走れたのもよかった」

ジャイ・クロフォード

「調子はよかった。チームみんなが強く、とても良いレースができた。あとは勝てれば最高だったね。数人のスプリントで勝てる感覚もあったけれど、そのチャンスはなかったね」

マルコス・ガルシア

「疲れていたわけではなかった。何より、オスカル(・プジョル)が強かっただけだ。彼はとても強い選手なんだ」

リカルド・ガルシア

「疲れたよ。ハードな 1 日だったね」

ウェズリー・サルツバーガー

「素晴らしいレースだったね。今日はみんながとても強かった。ボク個人としても山岳賞 ジャージを手に入れられて満足しているよ。まもなく長い遠征が終わるけれど、その最後 にあれだけの仕事ができて、本当にうれしい気分だ」

text&photo:Syunsuke FUKUMITSU

 

▼KINAN Cycling Teamは皆様に支えられ活動しています。

-株式会社キナン http://www.kinan.co.jp/
-NPO法人 SPORTS PRODUCE 熊野 http://www.nspk.net/
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Tour de 熊野(Tour de KUMANO, UCI Asia Tour 2.2) 第1ステージ 114.1km

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Tour de 熊野第 1 ステージでジャイが 8 位フィニッシュ 積極的なレースコントロールで次のステージにつなぐ

17th June 2016

 

● Tour de 熊野(Tour de KUMANO, UCI Asia Tour 2.2) 第1ステージ 114.1km

●出場選手
ジャイ・クロフォード
伊丹健治
マルコス・ガルシア
リカルド・ガルシア
野中竜馬
ウェズリー・サルツバーガー

国内3大ツアーの1つ「Tour de熊野」2016年大会は6月17日、和歌山県新宮市で第1 ステージを実施。ホストチームとして臨んでいるKINAN Cycling Teamは、キャプテン のジャイ・クロフォードが 8 位でフィニッシュ。その他 5 選手もトラブルなくレースを終 え、第 2 ステージへとつなげている。

前日のプロローグは 0.7km の個人タイムトライアルだったこともあり、全体的に僅差で この日を迎えている。KINAN 勢は 6 人いずれもトップからのタイム差は少なく、展開次第では個人総合時間賞首位のリーダージャージをいつでも狙えるポジションに位置する。

第 1 ステージは、新宮駅前を出発。しばらくパレード走行を行った後、熊野川温泉さつき 前をスタート・フィニッシュとする 16.3km の周回コースを舞台にレースが行われた。7 周回、114.1km で設定され、細かなアップダウンこそあるもののスピードに富んだ展開となるのが例年のパターンだ。

スタートから逃げ狙いのアタックが散発し、ウェズリーやリカルドが加わった 10 人以上 の先頭グループが形成されかけた場面もあったが、いずれも決まらず。3 周回目後半に入り、ようやく 2 人がリードを開始し、次の周回では 4 人に人数を増やしてレースを先行した。

一方、メイン集団に残った KINAN 勢は積極的にレースをコントロール。集団の主導権を握り、伊丹やウェズリーが前を行く 4 人とのタイム差をチェックしながら、吸収に向けて少しずつ距離を縮めていった。

その結果、最終周回に逃げメンバーを全員キャッチ。その後、オーストラリアのステイト ・オブ・マター/マープがスプリントトレインを形成し、フィニッシュに向けてペースアップ。ステージ優勝こそジェシー・ケリソン選手(オーストラリア、ステイト・オブ・マ ター/マープ)となったが、KINAN 勢は危なげなくレースを進め、全員がフィニッシュ。 勝負どころへ向け、着実に前進した。

結果、ジャイの 8 位を筆頭に、マルコス 29 位、野中 30 位、リカルド 39 位、ウェズリー 61 位と、いずれもメイン集団でのフィニッシュ。献身的なアシストを見せた伊丹は7 分 05 秒 差の 84 位で終えている。

早くもサバイバルの様相を見せる今大会。第 1 ステージだけで出走 114 人中 26 人がリタイアまたはタイムアウトとなり、レースから去ることとなった。

翌 18 日の第 2 ステージは、109.3km の山岳ステージ。今大会のクイーンステージの呼 び声が高く、熊野名物の激坂「千枚田」を 2 回上り、最大の山岳ポイント札立峠を越える 難関コース。総合争いにおいて最重要ステージであり、KINAN 勢としても運命の一日となる。

Tour de 熊野第 1 ステージ(114.3km)結果
1 ジェシー・ケリソン(オーストラリア、ステイトオブマター/マープ) 2 時間 36 分 59 秒
2 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、チーム右京)
3 鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)
4 福田真平(愛三工業レーシングチーム)
5 ポール・ヴァンデルプローグ(オーストラリア、ステイトオブマター/マープ)
6 雨乞竜己(シエルヴォ奈良 MIYATA-MERIDA レーシングチーム)
8 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +3 秒

29 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +3 秒

30 野中竜馬(KINAN Cycling Team) +3 秒

39 リカルド・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +3 秒

61 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +3 秒

84 伊丹健治(KINAN Cycling Team) +7 分 05 秒

●個人総合時間賞
1 ジェシー・ケリソン(オーストラリア、ステイトオブマター/マープ) 2 時間 37 分 42 秒
2 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、チーム右京) +2 秒
3 鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +6 秒
4 福田真平(愛三工業レーシングチーム) +8 秒
5 ポール・ヴァンデルプローグ(オーストラリア、ステイトオブマター/マープ) +9 秒
6 雨乞竜己(シエルヴォ奈良 MIYATA-MERIDA レーシングチーム) +11 秒
20 野中竜馬(KINAN Cycling Team) +14 秒
37 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +15 秒
44 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +15 秒
45 リカルド・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +15 秒
62 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +18 秒
84 伊丹健治(KINAN Cycling Team) +7 分 18 秒

●ポイント賞 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、チーム右京) 28pts

●山岳賞 佐野淳哉(マトリックスパワータグ) 2pts

●チーム総合時間賞
1 ステイトオブマター/マープ 7 時間 53 分 39 秒

10 KINAN Cycling Team +11 秒

●監督・選手コメント

石田哲也監督

「メイン集団のコントロールは想定通り。ホストチームとして、積極的にレースを進めることは大切だと考えている。第 2 ステージは重要な 1 日となる。地元の方々の応援を力にして、何が何でも勝利という結果を届けたい」

伊丹健治

「強い選手が逃げグループに入ったので、自分たちを含め数チームでメイン集団をコント ロールしようと呼びかけたが、結果的に KINAN だけが牽く形になった。逃げを吸収できて、明日のステージにつなげられたことはよかった」

マルコス・ガルシア

「順調だ。調子もまずまずだし、明日が楽しみだ」

野中竜馬

「スプリントに向けて位置取りしていたが、ミスコースした選手を避けたことでポジションを下げてしまった。スタート直後は重く感じていたので、あえてアタックに反応するなどして刺激を入れながら走った。レースを進めるにつれて体が動いてきたので、フィニッシュ勝負ができる感覚があった。そう考えると、調子は悪くないと思う」

ウェズリー・サルツバーガー

「長時間集団をコントロールして、よい仕事ができた。ハードだったけど問題ないよ。強い選手が逃げ続けて、彼らを追う形になったけど、その方がボク自身のコンディションを上げるにはよいくらいだ」

text&photo:Syunsuke FUKUMITSU

 

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Tour de 熊野(Tour de KUMANO, UCI Asia Tour 2.2) プロローグ 0.7km個人タイムトライアル

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KINAN Cycling Team 最大のターゲットレース「Tour de 熊野」開幕 雨の中行われたプロローグの個人タイムトライアルをメンバー全員がクリア

16th June 2016

● Tour de 熊野(Tour de KUMANO, UCI Asia Tour 2.2) プロローグ 0.7km個人タイムトライアル

●出場選手
ジャイ・クロフォード
伊丹健治
マルコス・ガルシア
リカルド・ガルシア
野中竜馬
ウェズリー・サルツバーガー

国内 3 大ツアーの 1 つ「Tour de 熊野」2016 年大会が 6 月 16 日、和歌山県新宮市で開幕。 初日はプロローグとして、0.7km の個人タイムトライアルが行われた。

KINAN Cycling Team にとって、メーンスポンサーの『株式会社キナン』のお膝元で行 われるレースとあって、ホストチームとして臨むと同時に、日本はもとより、アジア、そして世界へとチーム力を発信する機会でもある。この大会での個人総合優勝を年間最大のターゲットに据え、現状でのベストな 6 人をメンバーに選出。ジャイ・クロフォード、伊丹健治、マルコス・ガルシア、リカルド・ガルシア、野中竜馬、ウェズリー・サルツバーガーの布陣で臨む。

大会の舞台となる熊野地域は、2004 年にユネスコ世界遺産に登録された「紀伊山地の礼状と参詣道」に含まれ、深い歴史と荘厳なムード漂う中をライダーたちが駆け抜けることとなる。

タイムトライアルは、市田川沿いを「コ」の字に走るレイアウト。スタートで一気にスピ ードに乗せ、2 カ所の直角コーナーをいかにスムーズにクリアするかが勝負のカギ。早朝から降り続いた雨は、午後になりさらに強まり、慎重さとバイクテクニックが要求された。

そんな中、トップタイムをマークしたのは宇都宮ブリッツェン阿部嵩之選手。51 秒 00 で走破し、0 秒 14 差でチームメートの大久保陣選手が続くワン・ツーフィニッシュ。 KINAN 勢は野中がトップから 3 秒 17 差の 22 位が最上位。ジャイが 4 秒 54 差の 43 位、 ウェズリーが4秒79差の48位、リカルドが4秒97差の49位、伊丹が5秒81差の64 位、マルコスが7秒60差の89位。いずれも濡れた路面でのスリップや落車を避けるため、 リスクを負わずに翌日以降のステージにつなげることを優先した。

また、この日の夜にはオープニングセレモニーが『(株)キナン研修センター』で行われ、 リカルドが出場者を代表して選手宣誓を行った。流暢な日本語での宣誓に会場は大いに盛り上がった。

翌 17 日は、赤木川近くの 16.3km の周回コースで第 1 ステージが行われる。7 周回、 114.1km で争われ、細かなアップダウンこそあれどスピードに富んだレースになるのが例年の流れだ。特に、スタート・フィニッシュ地点の手前約 1km に設けられる KOM(山岳 ポイント)は、道幅が狭い激坂となっている。最終周回での熾烈な勝負は最大の見どころとなりそうだ。

Tour de 熊野プロローグ(0.7km 個人タイムトライアル)結果

1 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) 51 秒 00

2 大久保陣(宇都宮ブリッツェン) +0.14 秒

3 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、チーム右京) +0.17 秒

4 福田真平(愛三工業レーシングチーム) +0.90 秒

5 ポール・ヴァンデルプローグ(オーストラリア、ステイトオブマター/マープ) +1.73 秒

6 吉田隼人(マトリックスパワータグ) +1.91 秒

22 野中竜馬(KINAN Cycling Team) +3.17 秒

42 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +4.54 秒

48 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +4.79 秒

49 リカルド・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +4.96 秒

64 伊丹健治(KINAN Cycling Team) +5.81 秒

89 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +7.60 秒

●個人総合時間賞

1 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) 51 秒 00

2 大久保陣(宇都宮ブリッツェン) +0 秒

3 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、チーム右京) +0 秒

4 福田真平(愛三工業レーシングチーム) +0 秒

5 ポール・ヴァンデルプローグ(オーストラリア、ステイトオブマター/マープ) +1 秒

6 吉田隼人(マトリックスパワータグ) +1 秒

22 野中竜馬(KINAN Cycling Team) +3 秒

42 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +4 秒

48 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +4 秒

49 リカルド・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +4 秒

64 伊丹健治(KINAN Cycling Team) +5 秒

89 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +7 秒

●ポイント賞

1 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) 10pts

2 大久保陣(宇都宮ブリッツェン) 9pts

3 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、チーム右京) 8pts

●チーム総合時間賞

1 宇都宮ブリッツェン 2 分 36 秒

2 チーム右京 +2 秒

3 ステイトオブマター/マープ +3 秒

11 KINAN Cycling Team +8 秒

●選手コメント

リカルド・ガルシア 「雨がレースを難しくしたね。よい走りだったとは言えないけど、ノーリスクで無事に終えられてよかったかな。コンディションはまずまずなので、明日からが楽しみだ」

text&photo:Syunsuke FUKUMITSU

 

▼KINAN Cycling Teamは皆様に支えられ活動しています。

-株式会社キナン http://www.kinan.co.jp/
-NPO法人 SPORTS PRODUCE 熊野 http://www.nspk.net/
-YONEX http://www.yonex.co.jp/roadbike/
-Champion System Japan http://www.champ-sys.jp/
-FULCRUM http://www.riogrande.co.jp/brand/node/2440
-IRC TIRE http://www.irc-tire.com/ja/bc/
-uvex http://www.uvex-sports.jp/
-ATHLETUNE http://athletune.hayato-kk.com/
-WAKO‘S http://www.wako-chemical.co.jp/
-igname Sports Aroma http://www.igname.net/
-DISSETARE http://www.dissetare.com/
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